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エンジニアが瀬戸弘司に学ぶ「行動すること」の大切さ

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エンジニアが瀬戸弘司に学ぶ「行動すること」の大切さ

はじめに

瀬戸弘司さんをご存知だろうか。

YouTubeでガジェットのレビューを中心に活動されている方で、新しいデバイスを買っては試し、その感想を軽快に発信し続けている。私は何年も前からなんとなく動画を眺めていて、正直なところ最初は「ガジェット好きの面白い人」くらいの認識でしかなかった。

ところが最近になって、自分がエンジニアとして悩んでいたことと、彼の活動の姿勢がきれいに重なって見える瞬間があった。この記事は、ガジェットの話ではない。一人のエンジニアが、エンジニアではない人から「行動すること」の大切さを思い出させてもらった、という話だ。

そもそも、なぜエンジニアになりたいと思ったのか

きっかけははっきり覚えている。中学の頃、初めてパソコンをまともに触ったときだ。

当時はホームページ・ビルダーで自分のサイトを作るのが流行っていて、私も見よう見まねでHPを組んだ。文字を置いて、画像を貼って、背景色を変えて。それだけでも十分楽しかったのだが、あるときJavaScriptというものを知って、ボタンを押すと文字が動いたり、ちょっとしたアニメーションがついたりするのを覚えた。

自分が書いた数行で、画面の中の何かが「動く」。あの感覚は今でも忘れられない。誰かに頼まれたわけでもなく、テストに出るわけでもないのに、夜中までブラウザをリロードしては喜んでいた。

「自分の手で何かを作りたい」。この頃の素朴な衝動が、そのまま私の仕事の出発点になった。

エンジニアになってから

実際にエンジニアとして働き始めると、当たり前だがわからないことだらけだった。

知らない言語、知らないフレームワーク、見たこともないエラーメッセージ。毎日のように新しい単語に出会い、調べて、手を動かして、少しずつ理解していく。大変ではあったけれど、それ以上に楽しかった。昨日できなかったことが今日できるようになる。その積み重ねの実感が、そのまま自分の成長と結びついている感覚があった。

新しいことばかりで、毎日が発見だった。あの頃は、勉強と遊びの境目がほとんどなかったように思う。

ベテランになった今、気づけば何もしていない

そして気づけば、この仕事も15年を超えていた。

一通りのことは大抵こなせるようになったし、新しい技術が出てきても「ああ、あれの応用か」とだいたい見当がつく。経験が増えるというのは、こういうことなのだろう。

ただ、その代わりにいつの間にか失っていたものがある。「自分のために何かを作る」という行動だ。

振り返ってみると、ここ数年、業務以外で自分の作りたいものに手を動かした記憶がほとんどない。何かやろうかと思っても、すぐに理由が並ぶ。新しいことを覚えるのは学習コストがかかるし、平日は仕事で疲れている。週末くらいはゆっくり休みたい。気づけば、やらない言い訳だけが上手くなっていた。

中学生のあの夜中の興奮は、いったいどこへ行ってしまったのだろう。

なぜ行動しなくなったのか

少し冷静に考えてみて、ひとつ思い当たることがあった。

勉強そのものは、実はちゃんとしていたのだ。新しいフレームワークの動向は追っていたし、技術記事も読んでいた。ただ、その勉強の動機が、いつの間にかすっかり変わっていた。

それは「仕事のための勉強」であり、「業界から取り残されないための勉強」だった。言ってみれば、守りの勉強だ。やらないと不安だからやる。置いていかれたくないからやる。

決して悪いことではない。でも、これは私がエンジニアになりたかった理由とは違う。本質ではなかった。

私が本当に好きだったのは、作りたいから作る、面白いから手を出す、という攻めの行動のほうだったはずだ。いつからか、その順番が逆になっていた。

AI時代になって

そんなことをぼんやり考えていた時期に、ちょうどAIの波が来た。

これは大きかった。自分が頭の中で考えたものを、以前より圧倒的に速く、形にできるようになったのだ。アイデアを思いついてから動くものができるまでの距離が、一気に縮まった。実際、個人開発者がどんどん増えているのを肌で感じる。

そしてふと気づいた。これは、中学生の頃にホームページ・ビルダーで遊んでいた、あの環境にすごく似ている。難しい理屈を全部わかっていなくても、とりあえず作ってみれば動く。動いたものを見て、また次を作りたくなる。参入障壁が下がって、「やってみたい」がそのまま「やってみた」に変わる時代。

久しぶりに、あの頃のモチベーションが戻ってきた感覚があった。

そんなタイミングで目に入ったのが、瀬戸弘司さんのこの投稿だった。

これを見て、素直にすごくいいと思った。瀬戸さんは決してエンジニアではない。それでも、新しいものに対してまず飛び込んで、手を動かしながら学んでいる。専門家かどうかなんて関係なく、面白そうだからやる、その姿勢そのものに刺激を受けた。

肩書きや経験年数を理由に立ち止まっていた自分が、少し恥ずかしくなった。

最後に

もうひとつ、印象に残っている投稿がある。

楽しんで作ること、そしてそのまま学び続けていくこと。これはたしかにそうだな、と心から思った。義務でやる勉強は続かない。でも、楽しいから作るものは、放っておいても続いてしまう。中学生の私がそうだったように。

今、私も毎日のように何かしらアプリを作っている。完璧じゃなくていい、まずは動かしてみる。AIが出てきたことで、「やりたい」と思ったことにすぐ手を出せるようになった。手を出せば、また次にやりたいことが見つかる。その繰り返しだ。

結局のところ、難しいことは何もないのかもしれない。考えているだけでは何も生まれない。楽しんで作って、作りながら学んでいく。とにかく行動すること。

15年やってきて、いまさらながら、最初の頃にいちばん大事だったことに戻ってきた気がしている。