Claudeと一緒に「倍増配株」を探し始めた話📈

はじめに
投資の記事を書くつもりはなかった。
もともとPythonを学びながら自動化ツールを作るのが趣味で、Claudeを使い始めたのも「コードを書くのが楽だから」という理由だった。
それがなぜか今、毎晩Claudeと一緒にIR資料を読んでいる。
この記事は、そのきっかけと、Claude×投資という組み合わせがどんな体験なのかを記録したものだ。投資推奨ではなく「調べた記録の共有」として読んでほしい。
きっかけは「3年で配当が6倍になった会社」だった
あるとき、NCD(4783)という会社を調べた。
2023年に20円だった配当が、2026年には120円になっていた。3年で6倍。
最初は「データの入力ミスじゃないか」と思った。でも間違いじゃなかった。
「なぜこんなことが起きるのか」という疑問が、この探求の入口だった。
高配当株と「倍増配株」は別物だった
よくある高配当株投資の話は知っていた。配当利回り4〜5%の銘柄を買って、長期保有する。それはそれで良い戦略だと思う。
でも自分が気になったのは少し違う問いだ。
「配当がこれから大きく増える会社を、増える前に見つけられないか」
株価は将来の業績を織り込んで動く。でも配当方針の変更は、意外と株価に折り込まれるのが遅い。特に中小型株では。
その「タイムラグ」に可能性を感じた。
「倍増配」の定義をまず決めた
何かを探すには、まず「何を探すか」を定義する必要がある。
自分なりにこう決めた。
倍増配 = 3年以内に1株配当金が2倍以上になること
シンプルだけど、これを条件に絞ると候補がグッと絞られる。
なぜ3年か。中期経営計画(中計)がだいたい3年サイクルで更新されるから。会社が中計で「配当性向を○%に引き上げる」と宣言した瞬間、倍増配のスケジュールが確定する。
どんな会社が「倍増配」するのか
調べていくうちに、パターンが見えてきた。
パターン①:配当方針変更型(再現性◎)
低い配当性向(20〜30%台)を維持してきた会社が、中計の改定で突然「配当性向50%に引き上げ」や「DOE(株主資本配当率)3%以上」を宣言するケース。
これが一番再現性が高い。
なぜなら、宣言さえあれば「いつ・いくら増える」が計算できるからだ。
黄金方程式(今のところ)
低配当性向(〜30%)
× 純利益が成長トレンド
× 中計で「配当性向○○%引き上げ」「DOE導入」を数値で宣言
= 倍増配の高確率ゾーン
背景には東証の「PBR1倍割れ企業への改善要請(2023年〜)」がある。PBRが0.5〜0.8倍台で低迷している会社には、株主還元の強化圧力がかかりやすい。
ここにClaudeが入ってくる
正直に言うと、IR資料を一人で読むのはきつい。
PDFは長い。専門用語が多い。数字の意味がわからない。「DOEって何?」という状態から始まっている。
そこでClaudeに聞くことにした。最初は雑談的に。
「この会社の配当が増えそうな理由ってある?」
「中計にこう書いてあるんだけど、これはシグナルとして強い?弱い?」
「2023年と2024年の中計を比べると何が変わった?」
返ってくる答えが面白い。知識として出てくるだけじゃなく、「これは確認できない」「別の可能性もある」という留保もちゃんとつける。
Claudeと壁打ちしながら分析を深めていく体験は、一人でネット検索をし続けるよりずっと楽しかった。
実際にやったこと(日華化学の例)
日華化学(4463)という化学メーカーを調べたとき、こんな流れで分析した。
- IRBANKで配当推移を確認
- 「なぜ2024年に32円→52円に大幅増配したのか」をClaudeに問いかける
- 2024年7月の適時開示(資本コスト・株価意識経営の公表)を見つける
- DOEとBPSの関係を教えてもらいながら、次の増配タイミングを試算する
一人でやろうとしたら「適時開示」という言葉すら知らなかった。
Claudeが「これがシグナルになる」と教えてくれて、自分でIRページを開いて確認する。このループが「自分で分析できる」感覚を作ってくれた。
発表前に「予兆」を読めるか
これが今一番興味を持っているテーマだ。
日華化学の大増配(2024年7月)を例にすると、実は事前に確認できるシグナルがあった。
| シグナル | いつ確認できた | 強度 |
|---|---|---|
| PBR 0.5倍台が3年以上継続 | 数年前から | 🟡中 |
| 自己資本比率が37%→50%超に上昇 | 2019〜2023年 | 🟡中 |
| 2023年2月の中計に「株主還元強化」の言及 | 2023年2月 | 🟢高 |
| 「資本コスト意識経営」の適時開示 | 2024年7月 | 🔴確定 |
発表後に「あ、そういうことか」と気づくのは誰でもできる。問題は発表前に兆候を読めるかだ。
まだ全然うまくできていないけど、Claudeと一緒に読み方を覚えている最中だ。
これから書いていくこと
この記事はシリーズの第0回として書いた。
今後は個別銘柄の深掘り分析を記事にしていく予定だ。
現在、「倍増配の予兆がある」と判断した銘柄をClaudeと一緒に深掘りしている最中だ。化学メーカー、卸売、インフラ系など業種もバラバラで、共通点は「方針変更のシグナルが出ている」こと。
次回以降の記事では:
- 「なぜこの会社が倍増配するのか」の根拠を一社ずつ書く
- DOEやBPSを使った増配タイミングの試算プロセスも見せる
- Claudeとのやりとりそのものを再現するスタイルで書く
投資の推奨はしない。 自分が調べた記録を共有して、同じことに興味がある人と話したい、という動機で書いている。
おわりに
Claudeを使い始めてから、「調べること」の楽しさが変わった。
一人でやると詰まるところで会話が続く。間違えたことを言っても訂正してくれる。「それって本当にそう言える?」と問い返すと、もう一段深いところまで掘ってくれる。
投資の世界は情報量が多くて、何を信じればいいかわからない部分も多い。でも「自分で一次情報を確認して、Claudeと一緒に考える」というスタイルは、少なくとも自分には合っている。
倍増配株の探し方と、Claudeと一緒に分析する体験。この2つを軸に、これからも書いていく。
※本記事は投資推奨ではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
分析に使ったツール:IRBANK / 株探 / みんかぶ / Claude(Anthropic)